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小島かつら流!懸賞の極意2
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小島かつら流!懸賞の極意2
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懸賞はフリー
ちかごろ「インターネット普及前」の時代のことを「B.I.」(Before Internet)と呼ぶそうです。
紀元前をあらわす表記「B.C.」(Before Christ=キリストが生まれる前)をなぞらえた言葉ですが、たしかにインターネットが無かった1995年以前を考えると、歴史のターニングポイントになったくらい世界の価値観は大きく様変わりしたなぁと思います。
懸賞の世界での「B.I.」を考えると、それは「ハガキ応募しかなかった時代」となるでしょう。
私が1996年にネット懸賞を始めてすぐに、某プロバイダの開設記念キャンペーンのクイズで10万円相当の商品券が当たったとき、
「ハガキ代もかからず、ポストに投かんする必要もなくこんなにカンタンに当たっていいの?!」
と、ただただ純粋に驚きました。
ハガキ代や切手代という送料がネット応募では『無料』になる。 また、雨の日でもポストに投かんしに行く束縛が、PCの前であっというまに済む、つまり『自由』になる。
それは『フリー』という言葉の持つ2つの意味、『無料』と『自由』を同時に叶えた劇的な体験でした。
もともと懸賞は「少ない手間と低コストで金品が手に入る」という点で、『フリー』の要素が大きいのに、応募に必要だった最低限の費用や時間も不要(フリー)になる。こんなすごい恩恵がインターネットによってもたらされたわけです。
ただ、それでもまだ私がインターネットを始めたころは、高額のパソコン(30万円ほど)を購入し、ネット環境を整えるため月々プロバイダやNTTに支払う通信費用も相当額かかったものです。
ところがテクノロジーの発達のおかげで、今では、SIMフリーの格安スマホが一台あって、Wi-Fi環境が整った店舗や公共施設で使用するなら通信費も不要。
懸賞にまつわるすべての作業が、ほぼ無料でできてしまいます。
現在、大手スーパー「イオン」では一部のクローズド懸賞がネットで応募できるようになりましたが、今後は他の中堅スーパーにも広がっていくでしょう。
たとえば、買い物中の店内で、スマホでそのお店で実施している懸賞情報をチェック。
見つけた情報の応募要項に添って対象商品を含む買い物を済ませたら、すぐにレシートの写真を撮り、応募フォームにアクセスし、画像を貼って、さくっと応募完了!
・・・という具合に、レシートや店頭ハガキを家に持ち帰らずに、その場で短時間に応募できてしまいます。
つまり、今まで必要だったいくつもの道具(のり、セロハンテープ、ハサミ、ペンなど)や記入にかかる時間や応募する場所までも制限が取れ、限りなく『フリー』(無料&自由)に近づいているのです。
さらに、『フリー』になるのは応募方法だけではありません。
いまやスマホの無料アプリやウィジェットで日常に必要なことはこと足ります。 時刻も天気予報もすぐ分かり、ニュースも読めて、初めて行く町の道案内も万全。スカイプやラインで通話も無料。
そこそこのクオリティで構わないなら、写真や動画も簡単に撮影でき、音楽やムービーはWebラジオ、ユーチューブやニコ動で。
無料オンラインゲームは星の数ほどあるし、知りたいことは、ウィキペディアやYahoo!知恵袋で即座に解決。
すると、これまで懸賞企画で「豪華プレゼント」として、もてはやされてきたモノのへ概念が変わってきます。
腕時計、デジカメ、テレビ、DVDレコーダー、音楽プレーヤー、ゲーム機&ソフト、映画鑑賞券、辞書、書籍・・・などデジタルに替わるものなら、「どうしても欲しいモノ」ではなくなってきています。
また、海外旅行も、アジア近隣国であれば、ひと昔前と比べたら、懸賞に頼らなくても超格安に旅行できますよね(完全に0円にはなりませんが)。
これもネットで申し込みできるLCCや、ホテル予約サイトで経費を削減できるおかげ。
こちらのほうが、懸賞主催者側が設定した発着空港や日程の制限はなく、好きなようにプランも決められるので、当選旅行より、フリー(自由)度が高い旅ができるかもしれません。
さらに、あこがれのブランド品も、ほんの半年待てば、格安で入手できてしまいます。
たとえば、私が数年前に当たった14万円相当のバッグがあるのですが、届いた2ヵ月後にネットで調べたら、約半額に値下がりしていてガッカリ・・・。そのバッグは最近では、1/10以下の価格でオークションに出品されてました・・・。
ちょっとくやしいものの、人気のアイテムでも少し待てば、限りなくフリー(無料)に近づき、もしかしたら、スペックもフリー(自由=自分の好み)で手に入れやすくなった、といえるかもしれません。
このように、価値観の変化を見ると、もう懸賞の成果や充実度を「獲得当選額」で測っても、あまり意味がないのかなぁと感じます。
これからは、当選が自分にもたらす価値、つまり「当たってどうハッピーになれたか」を大切にしたほうがいいのではないでしょうか?
さて、前述のブランドバッグですが、たとえ価格(プライス)が下がっても今も私のお気に入りに変わりありません。
「おしゃれで使い回しが効いて、これを持ってお出かけすると気分がいい♪」 という私の中の価値(バリュー)は変わらないんです。これからも愛用していきますよ(笑)。
そして、以前、私の「懸賞わくわく掲示板」に、ある方から、こんな当選エピソードが寄せられました。
「短期バイトの契約終了日に、家に帰ったら花束が届いていました。 バイト帰りによく立ち寄ったお花屋さんの懸賞での当選でした。 『今までおつかれさま』と、ねぎらわれたようで、とても嬉しかったです」
それを読んで「ご当選おめでとうございます」とレスしながら、なんだか私までほのぼのしてきたのです。
たぶん花束自体は数千円の物かもしれませんが、ちょっとさみしく帰宅したタイミングに、サプライズプレゼントのように届いたら、誰かに見守られたようなあたたかい気持ちになって、「明日もがんばろう」と思えたのではないでしょうか。
私はこのような「物語」の価値を大切にしていきたいと思うのです。
※無断での転載等はご遠慮願います。
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